老朽化の激しい「旅犬猫専用」の宿に一晩泊まり、朝を迎える
どっけんと
ナイスガイ権兵衛。
昨日の
独眼猫政宗の姿が脳裏から離れない。
あの眼、あの声、あの存在。
「北からの風に左眼がうずく…」と彼は言った。
野良猫一座との関係は、間違いなく彼に深い傷を負わせている。
無論、左眼などにではなく「心」にだ。
宿賃を払い、本来の目的である「謎の白い影」を探すべく外に出る。
昨日の雨は何処へ行ったのだろう、青い空に真っ白な雲が二人を出迎えた。
「よっしゃ、
政宗ゎヤジキタとか言ってたよな?聞き込み開始しょぅぜ!」
「はい!」
小さな川に、鳥らしき姿があった。
「ねぇ、あんた達さぁヤジキタって知ってるぅ?」
どっけんが聞いてみた。
すると…
「ひゃぁ〜!!」
逃げ足の早さは一級品だった。
「また、カモられると思ったんじゃないでしょぅか?」と
ナイスガイ権兵衛。
「今のゎ
カモられ隊だったなぁ」
しかし、「ヤジキタ」という言葉を聞くだけで道行く者たちは逃げていく。
子八木さんでさえ、逃げていく…。
どうなっているのか…、「ヤジキタ」ってなんだ?
刹那、背後に何者かが忍び寄るような気配が!!
誰だ!!

自称「
Yukiおじさん」と名乗るおじさんだった。
「あんた達、ヤジキタコンビを探してるのかい?辞めた方が身の為だ…」
コンビ?って事は二人組みなのか。
そう言った後、おじさんの目に怯えが走った。
「や、やばい!」

指差した後、一瞬にしてYukiおじさんの姿は消えていた…。
さすが
Yukiおじさんの逃げ足の速さも一級品だった。
おじさんが指差さした方向には…。
「ボス」の縄張りを嗅ぎまわってたのは、あの男だ。
二人は確信した。