第九章・危機
まさに狂犬と呼ぶべきか…。
ヤジさんの眼には、どっけんとナイスガイ権兵衛に対する敵意、
否、…殺意とさえいえそうな、炎の如き憎しみに満ち満ちていた。
「俺達の縄張りに、何しに来やがった!?
ボスの命令か…ぁあ?」
こ、怖い。
ボスの迫力とは違う、狂気じみたそれは、燃え盛り近寄る事さえもできない大火の如くに、強く熱く、
まさしく「炎のヤジ」であった。
「先にこっちの縄張りをスパイしてたのゎ、お前の方だろう!」どっけんが言う。
「そぅだそぅだ!」ナイスガイ権兵衛の相槌。
「その事かぃ…。黒猫のヤマトが手紙を届けにきたからさ。…差出人の無い手紙をな!」
ヤジさんは続ける。
「てっきり鬼猫院からの手紙かと思ったから会いに行ったんだょ!そしたら…」
一瞬の間…それが数時間のように感じられる。
やはりヤジさんも大物のようだ…。
「見た事も無い猫が来て、野良猫一座と手を組んで
ボスの縄張りを奪わないかと持ち掛けやがった…。
このヤジ様に、座長自らじゃなく、三下の猫野郎を相手させるとはな!」
「それで?」
「ぁあ?俺様を馬鹿にした猫野郎の言う事なんか聞けるかい!
どっちにしろ
ボスの縄張りなんぞ、俺達ヤジキタ二人で奪うつもりだったさ!
勿論、野良猫一座も一緒に葬ってやるつもりだがなぁ!」

静まり返る場。

今にも襲いかからんとするヤジさん。
にじり寄るその足どりは「場慣れした闘犬」そのものだ。
どっけんもナイスガイ権兵衛も、決して弱くはない。
だが、ここはヤジキタの縄張りである。
争いになれば、当然仲間達に知れて集団でボッコボコにされるだろう。

逃げるが勝ち!そぅ思った瞬間。
「何をしてるんですか?あなた達ゎ。」
ヤジキタの仲間に回りこまれたのか?

「ちっ、ガンジーのおっさんかぃ…」ヤジさんの舌打ちが聞こえた。
ガンジー?誰だろうか。
第十章・非暴力宣言
「ヤジさん、こんな事をしていてはいけません。
この二人を殴りたいのなら、私を殴りなさい!!」

予想外の展開に戸惑うどっけんとナイスガイ権兵衛
「誰だょあのおっさんゎ?」
どっけんが聞く。
「おっさんなんて失礼ですょ…」。
ナイスガイ権兵衛は、ガンジーと呼ばれた男に共感する思いがした。
なんとなく似ているような気がする…
自分の外見とも、雰囲気とも優しさとも。
「くそっ、ガンジーいずれは決着をつけてやるぜ!」

ヤジさんはそう言い残すと、唾を吐き出し後ろ向きに呟いた。
「ガンジー、お前ほどの男が何故その強さを無駄にする?
所詮は弱肉強食の世の中だぜ?勿体ねぇと思わねぇのかぃ?」
聞いてはみたけれど、答えを待たずに去って行く。
どっけんとナイスガイ権兵衛は一瞬ドキリとした。
続々と強面の犬達が、ヤジさんの後を追従していったのだ。
ガンジーを含む3人は、無数の犬達に囲まれていたのか。
「おっさん、ありがとな」
どっけんは相変わらず馴れ馴れしい。
「どっけんさん、失礼ですょ!ガンジーさん、本当にご迷惑おかけしました…。」
ナイスガイ権兵衛はやけに緊張していた。
「いえいえ、私は当然の事をしたまでです。
ヤジさんやキタさん、そして野良猫一座の問題も知っています。
しかし、暴力では何も解決できない。
いつの日にか、この世から暴力がなくなる事を望んでいるだけです。
しかし、あなた達二人の目には輝きを感じますねぇ。
婆ミヤンさんの言う事も強(あなが)ち嘘では無さそうです。」
なるほど婆ミヤンは、ヤジキタの怖さを知っていてガンジーに伝えておいてくれたのだろう。

「危険ですから、ここに来る時は先に伝えてくださぃ。
黒猫のヤマトさんに頼めば、すぐに届けてくれる。では。」
ガンジーは去って行った。
優しい微笑みをかけながら、ゆっくりと。
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この物語はMr大蛇山が創作したオリジナルの物語であり、
野良猫や飼い猫や飼い犬達のネーミングも、
大蛇山のオリジナルです(^▽^*)
この野良猫一座の物語は、少しでも猫や犬嫌いの人に読んで頂き、
ニックネームをつけると愛着が沸くという事に気付いて貰いたいなぁ
との思いから作られました
是非「愛と感動の物語」を演じる、
猫や犬達を楽しんで見てくださぃ(´▽`*)
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