第11章・情報屋(タレコミ屋)
ひとまずヤジキタの縄張りから、
「ボス」の縄張りへと帰って来たどっけんとナイスガイ権兵衛。
権兵衛は、すぐに
「ボス」へと報告に帰る。
そんな中、どっけんは我が家の異変に気付いていた。
なんの匂いだ?
ガサガサと微かな物音が、どっけんの鼓膜を敏感にする
この音…、間違いなく小動物。
こんな所で何を嗅ぎまわっている?
「なぁジェリー、何が欲しい!?」

そこに居たのは「タレコミ」で食扶ちを稼ぐ、「ジェリー」だった。
彼ゎ情報通で、頭の回転が速い。
自分が得する為であれば、どんな相手にでも情報を提供する。
「ばれちゃったなぁ、相変わらず鼻と耳は効くんだね!」
「で、今日はいい情報かなんかあるのかぁ?」
「とっておきの情報さ!どっけんさん、独眼猫政宗に会ったんだろぅ?」
「本当に情報が早いな、お前は…で?」
「猫目雅子さんって知ってるよね?」
どっけんはさすがにその名前を聞いて驚いた。
猫目雅子と言えば、野良猫一座の看板女優猫でありながら、
猫の世界だけでなく他の動物達の世界でも大スターだ。
「そりゃ知らない奴なんていないだろうよ!猫目雅子がどう関係してくる?」
「どう関係するかは自分で考えなよ…ただ、会ってみる価値はあると思うけど?」

しかし、大女優・大スターにそんなに簡単に会えるのか…。
どっけんの気持ちを察したのだろう、ジェリーが言う。
「猫目雅子さんは、ごく稀にだけど、蝶々と遊んでる時があるんだ。
蝶々が大好きなんだって。なんだか似合ってるよな。」
しかし、こんな寒い季節に蝶々なんているだろうか…。
「まぁ、我慢強く待ってればいつか会えるんじゃないの?」
ジェリー
は、それだけ言うと、置いてあった犬用のクッキーを持ちあげて、ヨロヨロと去って行った。
「猫目雅子」と「独眼猫政宗」、そして「野良猫一座」…。
まだ解らない、
解らないが少しだけ、何かが見えてくるように感じる。
第12章・黒猫のヤマト
快晴。
冬へと向かう時期、一日だけ暖かさが戻ったような日だった。
どっけんとナイスガイ権兵衛は、
縄張りに異常が無いか確認しながら、おそらく今日だけの陽気を楽しんでいた。

いくつもの畑や田んぼを見て回り、人間という生き物に出会う。
何故か人間は2人の頭を撫でるが、不思議な事にそれが嬉しくもある。
どっけんの部下の大蛇山が言っていた。
「野良猫と仲良くしたいんだけど、逃げていくんだよね」と…。
おそらく大蛇山は、嫌われているだけだろぅ。
この辺りでは、野良猫と一緒に暮らしている人間も少なくないのだ。
どっけんはナイスガイ権兵衛と、そんな馬鹿話をしながら、暖かい陽射しを満喫していた。
瞬間、視界の隅に、その明るい陽射しと相反する、黒い丸い何かがあるのが見えた。
あれは…?

間違いない、黒猫のヤマトだ!しかし…あと一人いる。
近づくに連れて確信した。似たような姿、明らかに親子だ。
「ボッコボコにして、野良猫一座の企みを聞くチャンスですょ!」ナイスガイ権兵衛が息巻く。
「ちょっと待ってくれ…」
思いがけない言葉が黒猫のヤマトの口からこぼれた。
あのプライドの高い男が、犬2人を恐れる訳も無い。

「父ちゃんのお友達?」

「そうだよ、タンゴ…、これから大切な話があるから、ちょっと待ってなさい。」
こんなに優しい目をした男だったろうか。
まさに子を見る、親の眼差しだった。
そして2人を畑の中央へと呼び出し、黒猫のヤマトは語り始めた。
「権兵衛、こないだは恥をかかせちまったな、すまない。
娘のタンゴは野良猫一座の事は全く知らないし、堅気の猫と結婚させるつもりだ。
だから娘には一座の事は一切内緒にして欲しいのさ。」

「都合が良過ぎるんじゃあねぇですかぃ?」ナイスガイ権兵衛が言う。
「いったい、野良猫一座は何を企んでるだ!」どっけんは権兵衛が熱くなる前に、聞きたい事を口にした。
「しょうがねえな…。俺の知る事だけ話すぜ?
まず、俺達野良猫一座には悲しい掟がある。
鬼猫院の親分の女房が作ったらしいが…、詳しくは知らねぇ。
一座の男に惚れちまった女がいるとする。
その女が子供を宿して産んでしまったら…
子供は一座の猫として、教育係に育てられるが…
子供を産んだ女は、その掟に従い遠方の島へと奴隷として…」
「ちょっと待て!」
どっけんはそれ以上聞きたく無かった。
とても信じられない話だ。
目の前にいる男には娘がいる…。
じゃあその娘の母親は…奴隷として島流しに?
「ジェリーが猫目雅子に会えば何か解ると言ってたぞ」
それ以上黒猫のヤマトに悲しい事を思い出して欲しくなかったのだ。
「お前達も会っただろう、独眼猫政宗に。あいつは元々野良猫一座の幹部で俺より大物さ。
しかし、その政宗に猫目雅子さんが惚れちまった。
悪い事に猫目雅子さんは、鬼猫院の親分の義理の娘だ。
複雑な事情があるんだろうが、いろんな噂が飛び交った結果、
政宗は猫目雅子さんの為に、片目と引き換えに一座と雅子さんから身を引いた。」
「猫目雅子さんと独眼猫政宗、そして座長がこの周辺の平和の鍵を握ってるってぇ事ですかぃ」
権兵衛は完全に言葉が影響されている…。
それ以上、聞く必要も無いだろう。
「黒猫のヤマト、今度会うときゎ笑顔で会いたぃものだな」
聞こえたか聞こえなかったか、どちらでも良かったがどっけんはそう呟いて、黒猫の親子に背を向けた。

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この物語はMr大蛇山が創作したオリジナルの物語であり、
野良猫や飼い猫や飼い犬達のネーミングも、
大蛇山のオリジナルです(^▽^*)
この野良猫一座の物語は、少しでも猫や犬嫌いの人に読んで頂き、
ニックネームをつけると愛着が沸くという事に気付いて貰いたいなぁ
との思いから作られました
是非「愛と感動の物語」を演じる、
猫や犬達を楽しんで見てくださぃ(´▽`*)
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